前編をまだ読んでない方はこちらを先にどうぞ
約束の時間は午後2時だったが、到着したのは午後2時15分。やっちまった、フィリピンタイム。
指定されていた場所へ行くと、少し派手目の女性が声を掛けてきた。
「ようこそ、お待ちしておりました」
その後、IDを見せ、用紙に必要事項を記入し、待つこと10分。
担当者だという別の女性が現れた。
名前は忘れてしまったので、ここでは便宜上、ジェサとしておこう。
ジェサ「ようこそ!クラブ・ウルティマへ!」
・・・クラブ・ウルティマ?何じゃそれ?
ジェサ「今から、簡単な説明が90分ほどあるけど大丈夫かしら?その後、施設の見学ね」
ん?説明?パーティーはどこへいった??
ジェサ「それではこちらへどうぞ~」
ここで帰ることもできたのだが、妻が「行きましょう」とアイコンタクトを送ってきた。
仕方ない。面倒だけど、もう少し付き合ってみるか。
通された場所は、クラウンレージェンシーホテル・タワー1の2階にあるラウンジだ。
ジェサから、
- どこに住んでて何をやっているのか?
- フィリピンでの滞在歴は?
- 旅行は好きか?
- 今までに旅行でどこへ行ったことがあるか?
- その内容は?
- どんな種類の旅行が好きか?
- 旅行では平均どれぐらいお金を使うのか?
- 行ってみたい国や場所はどこか?
等々を結構しつこく根掘り葉掘り聞かれた。
はっはっは・・・パーティーの話は消えたな・・・
そしていよいよ本題へ。
ジェサ「私たちのメンバーになれば、旅をもっとお得に、そして無料でゴージャスなホテルに泊まることができるのよ」
なんじゃい!ホテルの会員権の促販じゃねぇーかこれ!!
て、気付くのが遅すぎた気もするが、その点はご容赦を。
ジェサ「ボラカイがタダよ!」「このホテルもタダで泊まれるわよ!」「ジムもタダよ!」
タダ・無料・料金不要・・・
ものすごい笑顔で、この言葉を連呼し続けるジェサ。
面倒くさいので、口を挟まずにずーっと聞いていたが、隣に座っていた妻、今にも寝そうな様子。まぶたがほとんど閉じかかっている。
カリパイ(心の声)おい!自分だけ寝ようとは卑怯やないか!
妻を寝かせまいと、さりげな~く太ももをつつき、アイコンタクトを送る。
「寝るではない!起きろ!」
何とかまぶたは開いたが、今度はフィリピン人の得意技、貧乏揺すり発動。
ハナシガナゲェ~ヨ、オイ!
とでも言いたげな妻の表情。激しく同意だ。
一応ここで、クラブ・ウルティマの名誉のために、サービスの概要を簡単にまとめてみた。
※記憶の範囲内で
・一度会員になると、権利は一生
・年会費(維持費)の額に応じて、クーポン券をゲット
・クーポン券は、有効期限がないので、越年可能
・クーポン券は転売可能
・年間、数日間ホテルでの宿泊が無料
・利用可能なホテルは多数(マカティ・ボラカイ等)
・配偶者、家族も自動的にメンバーになる
・子どもに会員権を譲ることが可能
・世界中の5つ星ホテルに1泊100ドルで宿泊可能
・クラウンレージェンシーホテルのプールやジム、スパ等の利用可能
他にも細かいことを説明してくれていたが、省略。
詳しいことを知りたい人、興味がある人は、Club UltimaのHPへ。
http://www.clubultima.com/
時計を見ると、そろそろ約束の90分になろうかという時刻。
さて、そろそろ反撃しますか。
「さっきから、無料で宿泊できるとか、タダで利用できるとか言ってますが、最初にメンバーになるために払う費用がいるでしょ?つまり無料じゃないですよね。」
ジェサ、沈黙・・・
「今日の話は、とても興味深く聞かせてもらいました。いいですね、この仕組み。でも、今自分に必要な物は、贅沢な時間を過ごすことではなく、日々の生活を充実させることなので、今回は必要ありません。」
「何年か後に、もしお金にゆとりがあれば、ぜひもう一度話を聞かせてもらいたいです。」
すると、ジェサ、突然セブアノで妻に向かって早口でまくし立てた。
「なんであんたの旦那は、メンバーになりたがらないの!」
いやいや、だから今説明したやんか。金がないんだよ、金が。
それでも、ジェサはしぶとく食い下がってきた。
今日申し込みをすれば大きな割引が可能だとか、次回はもう割り引きできないとか、ストレスフリーのハッピーライフが欲しくないのかとか・・・
余計なお世話だボケ!!
こちとら、金がねぇーってんだろうが!!!
と冷静に説明し、時間も時間だから、そろそろ帰るとの旨を伝え、席を立った。
しかし、相手は百戦錬磨のハードパンチャー。決して諦めない。
「何も心配いらないわ。どう?今から食事でも?」
「そうね、ホテルの施設見学の後に食事をとって。もちろん無料よ」
見え見えの作戦。何とかして説得するための時間稼ぎ。
妻「わたし、フィッシュフライがいいわ。あなたはポークね」
ちーん・・・。
それから、施設の紹介で30分ほどとられ、戻ってくると食事が用意されていた。
めしマイウ~~ごっつあんです!
最後の説得も何とかかわし、ようやく解放された。時計の針は既に午後6時。
するとジェサが、ちょっと疲れた様子で、お土産は次のうちどっちがいいか尋ねてきた。
- クラウンレージェンシーホテル宿泊15%引き券
- 屋上にあるエッジコースターまたはスカイウォークの無料券(1名分)
※いずれも有効期限は3ヶ月
ホテルに泊まるには金がかかるので、迷わずアトラクションの無料券をゲット。
次回、妻と来た際、実質半額で利用できることになるから、まぁお得かと。
まとめ
今回、結果的には一円も使っていない。
おお~、よく考えたら、ものすごく得したのではないか!
ジェサとの会話は基本的に英語。たまにセブアノ挟んできたけど。
ガチンコのタイマン英会話レッスンが無料で行えた。
これ、語学留学生にお勧めできるんじゃないか?
相手の要求に対し、注意深く聞き取り、的確に切り返す。間違ってもとりあえずイエスなんて言ってしまったら、もうそこでゲームセット。
この的確に切り返す部分が、超重要。
相手に分かるように筋道を立てて理詰めで会話を組み立てる。
まさに実戦英会話だ。
しかも、無料の食事付き。
無料アトラクション券もゲット!
暇な方は、挑戦してみるのもいいのでは?
くれぐれも、相手の勢いに飲まれて、「会員になります」って言わないように。
本気で会員になりたい人も、話を聞きに行く事を勧める。いろいろ細かいことまで丁寧に教えてくれるので。
次はあなたの番かも・・・
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